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ロサンゼルスの治安【2026年最新データ】

外出・駐車で気をつけたいこと、エリア別の注意点、緊急時の連絡先をまとめています。犯罪件数はLA市警の管轄内の集計で、日本人だけの被害件数や、地域ごとの危険度を示すものではありません。

🌙 外出・駐車で気をつけたいこと

  • • 車内を空にする(車上荒らし9,161件・自動車盗7,793件が最大リスク。他の何より優先)
  • • 荷物の積み替えは出発前に済ませる(到着後にトランクへ移す行為自体が見られている)
  • • 自宅アパートの駐車場でも同じ習慣を守る(住まいでの被害が1,635件・17.8%)
  • • 日中でも路上駐車は空にする(9〜17時台が34.4%)
  • • 深夜は徒歩10分以内でもUber/Lyftを優先する(配車の使い方はUber/Lyftガイド)
  • • 公共交通利用時は、2026年上半期の犯罪108,669件のうち3,834件(3.5%)が公共交通関連として記録されている点を踏まえ、駅・停留所での待ち時間を短くする
  • • イヤホンを外し、周囲を確認しながら歩く。ATM利用は昼間の店舗内ATMを選ぶ
  • • 不安を感じたら「無理せず撤退」を最優先する

🚨 緊急連絡先(911・管轄別窓口・総領事館)

⚠️ 最初に:この統計が指す「LA」の範囲

日本語で「ロサンゼルスの治安」と書かれた記事の多くは、 LA市・LA郡・南カリフォルニア全体を区別せずに混ぜています。 しかし治安統計は警察組織ごとに作られるため、この区別を外すと数字の意味が消えます。

LAPDのデータに含まれるもの

ロサンゼルス市内のみ。ダウンタウン、リトルトーキョー、ハリウッド、コリアタウン、 ベニス、サンペドロ、そしてサンフェルナンドバレーの大半が対象です。 市内は21の地理的分署(Division)に分かれ、統計もこの単位で公開されています。

LAPDのデータに含まれないもの

トーランス、ガーデナ、サンタモニカ、カルバーシティ、パサデナ、ロングビーチ、 アーバインなどは、それぞれ独立した市であり自前の市警を持ちます。サンタモニカ市警やガーデナ市警、アーバイン市警が別組織である以上、 LAPDの件数からこれらの街の治安を読み取ることはできません。 なおアーバインはロサンゼルス郡ですらなく、オレンジ郡の都市です。

郡保安局(LASD)の管轄

コンプトン市、イーストランチョドミンゲス、未編入ガーデナ地区、ローズウッドは、 LA市警ではなくロサンゼルス郡保安局コンプトン署が 管轄しています(301 S. Willowbrook Ave., Compton/(310) 605-6500)。 「ガーデナ」と一口に言っても、ガーデナ市はガーデナ市警、未編入ガーデナはLASDと窓口が分かれます。

つまり本記事の件数は「LA市内でLAPDに報告された犯罪」の話です。 南ベイやオレンジ郡の日本人居住エリアを比較したい場合は日本人が住むエリア比較を、統計を使わない基本的な防犯の考え方はLA治安情報(基礎編)も併せて確認してください。

📊 21分署エリア別の犯罪件数(2026年1〜6月)

LAPD管内21分署の、2026年上半期の犯罪報告件数です。 分署は面積も人口も異なるため、この表は「人口あたりの危険度ランキング」ではなく 「どこに事件が集中しているか」を示すものとして読んでください。

LAPD NIBRS Offenses Dataset 2026 to Present による2026年1〜6月の分署別犯罪件数
分署件数主な地域
セントラルCentral9,208ダウンタウン、リトルトーキョー、スキッドロウ
サウスウエストSouthwest6,428USC周辺、エクスポジションパーク
ランパートRampart6,280ウエストレイク、エコーパーク
77thストリート77th Street6,209サウスLA中心部
オリンピックOlympic6,144コリアタウン
ハリウッドHollywood5,969ハリウッド大通り、観光エリア
ノースハリウッドN Hollywood5,738バレー東部
パシフィックPacific5,639ベニス、マリナデルレイ、LAX周辺
ニュートンNewton5,552ダウンタウン南
サウスイーストSoutheast4,979ワッツ周辺
ノースイーストNortheast4,787イーグルロック、ハイランドパーク
バンナイズVan Nuys4,657バレー中部
ミッションMission4,645バレー北部
ウエストバレーWest Valley4,580リシーダ、タザナ
トパンガTopanga4,537バレー西部
ウィルシャーWilshire4,379ミラクルマイル、フェアファックス
デボンシャーDevonshire4,337ノースリッジ、チャッツワース
ハーバーHarbor3,904サンペドロ、ウィルミントン
ホーレンベックHollenbeck3,741ボイルハイツ
ウエストLAWest LA3,700ソーテル(リトル大阪)、ブレントウッド、ウエストウッド
フットヒルFoothill3,256サンランド、パコイマ

最多はセントラル分署の9,208件で、最少のフットヒル分署3,256件の2.8倍です。 日本人にとって重要なのは、観光や買い物で必ず通るリトルトーキョーが最多のセントラル分署管内にあり、 日系店舗が並ぶソーテル(リトル大阪)が下から2番目のウエストLA分署3,700件の管内にあること。 同じ「LA市内」でも、行き先によって前提が変わります。 なおこの表の件数は、2026年7月21日・8月14日に取得した時点よりすべて増えています(増え方の実測はこちら)。

🔴 危険エリア(データ上、件数が集中している地域)

以下は「住民全員が危険」という意味ではありません。 土地勘のない訪問者・新規移住者が、路上トラブルや窃盗に巻き込まれる件数が実際に多いエリアです。

Skid Row(スキッドロウ)/ダウンタウン東側

ホームレス支援施設が密集する一角で、LAPDセントラル分署の管内です。 セントラル分署は2026年上半期の犯罪報告9,208件で21分署中最多、 殺人15件・車上荒らし1,102件もいずれも市内最多でした。 リトルトーキョーから南東へ数ブロック歩くと接するため、 観光時は地図を見ながら移動し、夜間の徒歩移動は避けてください。 リトルトーキョー側の歩き方はリトルトーキョー観光ガイドで解説しています。

South LA(サウスLA)

強盗(Robbery)の件数が集中しているのがこの一帯です。 2026年上半期の強盗は77thストリート分署366件、サウスイースト分署324件、 ニュートン分署305件、サウスウエスト分署266件で、市内3,448件の4割弱を4分署が占めます。 公共交通で通過する場合は、乗換地点と下車後の徒歩導線を事前に決めておくのが安全です。

Compton(コンプトン)— LAPD統計の対象外

コンプトンは日本語記事で必ず名前が挙がりますが、 実はLA市ではなく独立した市で、LA郡保安局コンプトン署の管轄です。 そのためLAPDのデータには1件も含まれず、本記事の数字でコンプトンを語ることはできません。 「LAで最も危険」といった断定を見かけたら、それがどの警察のどの統計に基づくものかを確認してください。

Hollywood(ハリウッド)— 観光客が最も接触するエリア

ハリウッド分署は5,969件で21分署中6位。観光地としての人出を考えると、 日本人旅行者が実際に足を運ぶ場所の中では最も件数が多いエリアです。 車上荒らしも497件発生しています。レンタカーで訪れる場合は、 駐車中の車内に荷物を残さないことが最大の対策になります。

🚗 LA市内で報告された犯罪の内訳

日本語の治安記事では「スリに注意」「ひったくりに注意」が定番ですが、 LAPDの実数を見るとこの優先順位は現実と合っていません。 2026年上半期の犯罪種別を件数順に並べると次のようになります。

LAPD NIBRS Offenses Dataset 2026 to Present による2026年1〜6月の犯罪種別件数
犯罪種別件数1日あたり
暴行(単純)NIBRS 13B15,246約84件
器物損壊NIBRS 29010,799約60件
その他の窃盗NIBRS 23H9,366約52件
車上荒らし(車内からの窃盗)NIBRS 23F9,161約51件
自動車盗NIBRS 2407,793約43件
加重暴行(凶器使用など)NIBRS 13A7,268約40件
万引きNIBRS 23C5,037約28件
住居・建物侵入盗NIBRS 2204,407約24件
強盗NIBRS 1203,448約19件
身元情報窃盗NIBRS 26F3,055約17件
スリ(掏摸)NIBRS 23A619約3件
建物内での置き引きNIBRS 23D314約1.7件
ひったくりNIBRS 23B199約1.1件
殺人NIBRS 09A104約0.6件

車上荒らし9,161件に対し、スリは619件。約15倍の差があります。自動車盗7,793件を足すと車関連だけで1日あたり約94件。 ひったくり199件は1日1件強です。 LAで最初に対策すべきは「バッグの持ち方」ではなく「車内に何も置かないこと」です。

車上荒らしはどこで起きているか

9,161件を発生場所別に見ると、「観光地の駐車場」というイメージは半分しか当たっていません。

  • • 路上(Street/Parkway)3,558件(38.8%) — 最多。路上駐車が最大の露出
  • • 駐車場・立体駐車場 1,531件(16.7%)
  • • アパート・コンドミニアム敷地 727件(7.9%)
  • • 自宅・私道 657件(7.2%)
  • • 建物内地下駐車場 251件(2.7%)
  • • 歩道 259件(2.8%)

アパート敷地・自宅私道・地下駐車場を合計すると1,635件(17.8%)。約6件に1件は、被害者が「自分の家」に停めている車で起きています。旅行者だけの問題ではなく、住み始めてからの日常習慣の問題でもあります。

車上荒らしは何時に起きているか

  • • 18〜23時台:3,749件(40.9%)— 最も多い時間帯
  • • 9〜17時台:3,150件(34.4%)— 3分の1以上が日中
  • • 0〜5時台:1,698件(18.5%)
  • • 6〜8時台:564件(6.2%)

夕方から夜が最多なのは事実ですが、日中の被害が34%を占めるため、 「明るいうちなら大丈夫」は成り立ちません。 短時間の買い物・食事・ビーチでも、車内は必ず空にしてください。 トランクへの積み替えは目的地に着いてからではなく、出発前に済ませます (見られている場所で移すと意味がなくなるため)。

🟢 日本人が多いエリアと、その統計上の位置づけ

日本人コミュニティが集まるエリアのうち、LAPDのデータで語れるのは2つだけです。 残りは別の市であり、同じ統計に載りません。ここを混ぜないことが重要です。

Sawtelle / West LA(ソーテル・リトル大阪)— LAPD管内

日系書店・ラーメン店・スーパーが集まるソーテルはLAPDウエストLA分署の管内で、 2026年上半期の犯罪報告は3,700件。21分署中20番目(下から2番目)です。 Westside勤務の単身者に人気で、統計上もLA市内では落ち着いた部類に入ります。

Little Tokyo(リトルトーキョー)— LAPD管内

日本人にとって最も馴染みのあるエリアですが、管轄は市内最多のセントラル分署(9,208件)です。 エリア自体が危険というより、スキッドロウを含む広い分署区分に属していることが数字の背景です。 日中の行動と、南東方向へ歩かないという原則を守れば、実務上の使い勝手は高いエリアです。

Torrance・Gardena・Santa Monica・Irvine — LAPD統計の対象外

日系スーパーや病院が集まるトーランス、家賃の選択肢が広いガーデナ、 観光地でもあるサンタモニカ、学区で選ばれるアーバイン。 いずれも独立した市警を持つため、本記事のLAPDデータでは比較できません。 「LAは危険」という一般論をそのままこれらの街に当てはめるのも、 逆に「LAPDの数字が少ないから安全」と判断するのも、どちらも誤りです。 住むエリアを選ぶ段階ならエリア比較ページで家賃・通勤・日系施設の条件から絞り込み、最終判断は昼と夜の両方で現地を歩いて行ってください。

よくある質問

ロサンゼルスの治安は2026年に入ってどうなっていますか?
LAPDが公開しているNIBRSオープンデータには、2026年1月1日〜6月30日に発生した犯罪として108,669件が収録されています(データセット更新日2026年9月1日、2026年9月4日取得)。うち殺人は104件、強盗は3,448件です。ただしこの数字は「LA市内でLAPDに報告された件数」であり、トーランス・ガーデナ・サンタモニカ・アーバイン・コンプトンなど別の市はこの統計に一切含まれません。この件数は取得のたびに増えてきました。当ページの公表値は2026年7月21日取得で87,842件、8月14日取得で105,606件、今回で108,669件です。ただし増え方は鈍っており、最初の24日で+20.2%だったものが直近21日では+2.9%です。
LAPDの犯罪件数は、後からどのくらい増えるのですか?
同じ半年分(2026年1〜6月)を同じ条件で3回取得した実測では、87,842件(7月21日)→105,606件(8月14日・24日で+20.2%)→108,669件(9月4日・21日で+2.9%)でした。1日あたりに直すと+0.84%から+0.14%へ、6.1分の1に鈍っています。つまり無限に増え続けるのではなく、期間が終わってから2か月ほどで実用上ほぼ確定します。7月21日以降の増加20,827件のうち、通報日(date_rptd)が7月21日以降のレコードは821件(3.9%)だけで、残りは既に警察に届いていた事件がオープンデータ側に後から入力されたものです。順位の入れ替わりも最初の1か月に集中し、1回目→2回目ではハーバー+66.1%からトパンガ+9.0%まで7.3倍の開きがあって最少分署がハーバーからフットヒルへ移りましたが、2回目→3回目は+4.6%〜+1.8%の2.6倍に縮み、21分署のうち順位が動いたのは3位と4位の1組だけでした。
LAPDのオープンデータは、いつの時点の数字なら使えますか?
当ページが同じ抽出条件で3回取得した実測では、増え方は1日あたり+0.84%(2026年7月21日→8月14日)から+0.14%(8月14日→9月4日)へ6.1分の1に鈍りました。分署の順位も、1回目→2回目では最少分署がハーバーからフットヒルへ入れ替わるほど動いたのに対し、2回目→3回目で動いたのは3位と4位の1組だけです。目安として、期間の終了から1か月以内の集計は総数も分署順位も当てになりませんが、2か月以上経った期間なら実用上そろっています。月単位でも同じで、2026年9月1日更新版では7月が19,048件(1〜6月平均比105.2%)まで埋まっている一方、8月はまだ11,754件(同64.9%)です。前回この欄では7月を「8,973件しか入っていない」と書いていましたが、その記述は失効したため差し替えました。
日本人が特に遭いやすい犯罪は何ですか?
圧倒的に車関連です。LAPDデータでは2026年上半期の車上荒らしが9,161件、自動車盗が7,793件で、合わせると1日あたり約94件。一方でスリは619件、ひったくりは199件、建物内の置き引きは314件しかありません。日本語の治安記事は「スリに注意」を強調しがちですが、実数では車上荒らしがスリの約15倍です。まず車内を空にすることが最優先の対策になります。
車上荒らしは夜の駐車場で起きるのですか?
半分は違います。2026年上半期の車上荒らし9,161件を発生場所で見ると、最も多いのは路上で3,558件(38.8%)、次が駐車場・ガレージの1,531件(16.7%)。さらにアパート敷地727件、自宅・私道657件、建物内地下駐車場251件と、住まいでの被害が合計1,635件(17.8%)あります。時間帯も18〜23時台が3,749件(40.9%)で最多ですが、9〜17時台も3,150件(34.4%)と3分の1以上が日中です。「夜だけ」「観光地だけ」の対策では足りません。
スキッドロウやコンプトンは実際どのくらい危ないのですか?
スキッドロウを含むLAPDセントラル分署は、21分署中で犯罪報告が最多の9,208件(2026年上半期)で、殺人15件・車上荒らし1,102件もいずれも市内最多です。リトルトーキョーも同じセントラル分署の管内にあります。一方コンプトンはLA市ではなくロサンゼルス郡保安局(LASD)コンプトン署の管轄で、LAPDの統計には含まれないため、この数字から比較することはできません。
トーランスやアーバインの治安はこのデータでわかりますか?
わかりません。LAPDのデータはロサンゼルス市内のみが対象です。トーランス市警、ガーデナ市警、サンタモニカ市警、アーバイン市警(アーバインはロサンゼルス郡ではなくオレンジ郡)はそれぞれ独立した警察組織で、統計の取り方も公開方法も異なります。日本人が多いエリアのうちLAPDの数字で語れるのは、ソーテル(リトル大阪)を含むウエストLA分署3,700件と、リトルトーキョーを含むセントラル分署9,208件だけです。
緊急時はどこに連絡すればいいですか?
命の危険や進行中の事件は911へ通報します。英語が不安な場合は「Japanese interpreter, please」と伝えると通訳につながる場合があります。コンプトンや未編入ガーデナなど郡保安局の管轄エリアでの相談はLASDコンプトン署(301 S. Willowbrook Ave., Compton/(310) 605-6500)が窓口です。パスポート紛失や邦人支援が必要な場合は在ロサンゼルス日本国総領事館にも連絡してください。

関連ページ

犯罪データ出典: Los Angeles Police Department, LAPD NIBRS Offenses Dataset 2026 to Present(データセット更新日 2026年9月1日/取得 2026年9月4日)。
LocoPlace編集部が発生日2026年1月1日〜6月30日のレコードを集計。同じ条件の過去2回の取得は2026年7月21日 87,842件、2026年8月14日 105,606件。管轄情報はLA郡保安局および各市警の公式サイトによる。
最終更新: 2026年9月4日

補足:このページの数字について

📊 このページの数字について: 本記事の件数はすべて、LAPDがLAPD NIBRS Offenses Dataset 2026 to Presentとして公開しているデータセット(更新日 2026年9月1日/2026年9月4日取得)から、発生日2026年1月1日〜6月30日のレコードを集計したものです。 NIBRSは1つの事件に複数の犯罪が含まれる場合それぞれを個別に計上するため、 「事件数」ではなく「犯罪件数」です。前年との単純比較は、2025年以前が別データセットで 分署ごとの変化幅も大きく開くため、本記事では行っていません。

2026年9月4日の更新: 同じ半年分を同じ条件で3回目の取得をしました。 当ページの公表値は87,842件(7月21日取得)→105,606件(8月14日取得)→108,669件(9月4日取得)と動いています。 旧数値はすべて差し替え済みです。増え方は最初の24日の+20.2%から 直近21日の+2.9%へ6.1分の1に鈍りました。 あわせて、前回版が「半分しか入っていない」と書いた7月がすでに埋まったため、その記述を訂正しています。

補足:件数の改定と再集計の記録

🔁 その数字は後から増える — ただし増え方は急速に鈍る(3回の実測)

LAPDのオープンデータには、日本語記事でも英語記事でもほとんど書かれていない性質があります。すでに終わった期間の件数が、後から増えるということです。 当ページは同じ抽出条件(発生日2026年1月1日〜6月30日)でこのデータセットを3回取得し、そのたびに全数値を差し替えてきました。 3点そろったことで、単に「増える」だけでなくどのくらいのペースで増え、いつ落ち着くのかまで測れます。

同一抽出条件(発生日2026年1月1日〜6月30日)を3回取得したときの件数の推移
取得日データセット更新日2026年1〜6月の件数前回比1日あたり
2026年7月21日2026年7月21日87,842件——
2026年8月14日2026年8月5日105,606件+20.2%(24日)+0.84%
2026年9月4日2026年9月1日108,669件+2.9%(21日)+0.14%

増え方は1日あたり+0.84%から+0.14%へ、6.1分の1に落ちました。最初の24日で+20.2%も膨らんだ同じ半年分が、次の21日では+2.9%しか動いていません。 つまりこのデータセットは無限に増え続けるのではなく、期間が終わってから2か月ほどで実用上ほぼ確定します。 「LAPDのオープンデータは当てにならない」ではなく、「いつの時点なら使えるか」が問題だということです。

増えたのは「新しい事件」ではない

2026年7月21日取得から今回までの増加分20,827件のうち、 通報日(date_rptd)が2026年7月21日以降のレコードは821件、 全体の3.9%にすぎません。 直近の21日分に限ると、増加3,063件のうち 8月14日以降に通報されたものは221件で、 残る92.8%はすでに警察に届いていた事件が、オープンデータ側に後から入力されたものです。 事件が増えているのではなく、公開が追いついていなかっただけ、という構図は3回目の取得でも変わりません。

前回このページに書いた「7月は半分しかない」は、もう当てはまらない

当ページは2026年8月14日版で、7月の収録件数を8,973件、 1〜6月の月平均17,601件に対して51.0%しかないと書きました。 同じ7月が、2026年9月1日更新版では19,048件(1〜6月平均比105.2%)で、2026年で最も件数の多い月になっています。 警告した仕組みは正しかった一方、根拠として出した数字のほうは3週間で失効しました。 いま同じ理由で読んではいけないのは8月です。

LAPD NIBRS Offenses Dataset 2026 to Present における2026年の発生月別収録件数(2026年9月1日更新版)
発生月(2026年)収録件数1〜6月平均比
1月18,271100.9%
2月16,62691.8%
3月18,703103.3%
4月18,367101.4%
5月18,465101.9%
6月18,237100.7%
7月19,048105.2%
8月11,75464.9%

1〜6月の月平均は18,112件。 8月は11,754件で64.9%しか入っていません。 「最新の月のデータを見たら犯罪が減っていた」という読み方は、この段階では成立しません。目安として、月が終わってから1か月経った月は実用上そろっており、直近の1か月はまだ3分の1以上欠けています。

分署の順位は最初の1か月で入れ替わり、その後は動かなくなる

ここが実用上いちばん重要な点です。もし全分署が同じ率で増えるなら、 「どこが多いか」の順位は変わらないので、古い数字でも比較には使えます。 1回目→2回目では、増加率がハーバー+66.1%からトパンガ+9.0%まで7.3倍の開きがあり、 「件数が最も少ない分署」がハーバーからフットヒルへ入れ替わるほど順位が動きました。 ところが2回目→3回目では、増加率の幅はハリウッド+4.6%からバンナイズ+1.8%まで2.6倍に縮み、 21分署のうち順位が動いたのはランパートと77thストリートが3位・4位を入れ替えた1組だけでした。

3回の取得における分署別件数と、各区間の増加率
分署7/218/149/47/21→8/148/14→9/4
ハーバー2,2683,7683,904+66.1%+3.6%
パシフィック3,8555,4565,639+41.5%+3.4%
ウィルシャー3,0694,2654,379+39.0%+2.7%
ミッション3,3824,5574,645+34.7%+1.9%
ノースハリウッド5,0495,5385,738+9.7%+3.6%
ニュートン4,9845,4475,552+9.3%+1.9%
トパンガ4,0684,4364,537+9.0%+2.3%
  • • 順位の入れ替わりは1回目→2回目で起きた — 7/21時点ではハーバー(2,268件)が21位でしたが、 +66.1%増えて18位になり、最下位はフットヒルへ移りました。パシフィック分署(ベニス・マリナデルレイ・LAX周辺)は12位から8位へ、+41.5%です。
  • • 2回目→3回目では、その並びがほぼ固まりました — 21分署中20分署の順位が不動で、 最多と最少の差も2.8倍から2.8倍とほとんど変わっていません。
  • • 犯罪種別も同じ形です。1回目→2回目では殺人+33.8%、住居・建物侵入盗+30.2%と大きく動きましたが、 2回目→3回目は最大が身元情報窃盗の+5.7%、最小が万引きの+0.9%、殺人は+1.0%(103件→104件)です。

読むときの注意: LAPDのオープンデータを引用した 「LAの犯罪は前年比〇%減」「最も安全な分署は〇〇」という記事を見たら、いつ取得した数字かを必ず確認してください。 実測では、期間の終了から1か月以内の集計は分署の順位ごと当てになりませんが、2か月以上経った期間なら、その後の変動は1日あたり+0.14%程度まで落ちます。 当ページも同じ制約を受けるため、取得日と更新日を毎回明記し、取り直すたびに全数値を差し替えます (本ページは7月21日・8月14日・9月4日の3回取得し、そのつど全面差し替えを行いました)。